統合失調症を発症し、日本人男性と結婚した朝鮮系中国人女性が自分の子どもと同じ幼稚園の園児二人を送迎中に殺害した事件。
本書を読むと適切な治療環境さえあればこんな事件は起こらなかったということがよくわかる。統合失調症を発症していたのに、調子の悪いときにだけしか薬を飲ませなかった家族。それはまずなによりも妻を労働力として計算していたからで、だからこそ彼女が送迎を行うという状況ができてしまった。恐らくは責任回避のために患者の完全責任能力を主張する主治医。
統合失調症というだけで不起訴になっていた過去も理不尽だったけれど、かといってこのような状態の患者を無期懲役にすることにも割り切れなさを感じる。
獄に消えた狂気―滋賀・長浜「2園児」刺殺事件 | |
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