児童・青年の反社会的行動に対するマルチシステミックセラピー/S.W.Henggeler et al.
犯罪に関わるような問題を抱えた家族に対して24時間対応のアウトリーチ型(クライアントの自宅や学校などに赴いたり)の統合型セラピーパッケージ。著者たちはマルチシステミックセラピーInc って会社を立ち上げ、自治体などにパッケージ化して売り出し、結構成功しているらしい。
基本的にはソーシャルワークのモデルという気がするけど、ストレングス・モデル、認知行動療法、家族療法など既存療法のいいとこ取り。
ビジネスとしてやっているからアウトカムにも敏感で、費用対効果も良いという。24時間対応でなぜ費用対効果がよいかというと、これは入所型の施設運営の経費と比べているから。そういえば、最近読んだリチャード・ワーナーの統合失調症本でも急性期に自宅での治療が必要という主張があった。ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピーじゃなくてアサーティブ・コミュニティ・セラピー)などの流行もあり、このようなアウトリーチ型のプログラムもそろそろ日本にも輸入されてくるのかな。