官能小説とかいっても自分の中では宇野鴻一郎とか川上宗薫とか30年以上前でストップしている、というかビデオの普及によって「Oの物語」とかいった文学的ポルノグラフィーのわずかな流れ以外は駆逐されたと思っていた。でもニッチなようにみえて一定の市場は確保されているのですね。後半部分とかはまったくきいたこともないような作家のことを初めて目にしました。
とはいっても作者はそうした伝統的官能小説の流れにいる人だから、取り上げる作品は商業ベースのものだけでネット上のSSとかはまったく言及もないので、そこらへんを含めた本とウェブにおける官能小説の相互影響などについて研究する人がいたら面白いと思うのですが、両方に精通した人とかあんまりいそうもありませんね。
教養としての官能小説案内 (ちくま新書)
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