性愛

「愛と性の尊厳/賀来はつ 中山尚夫 石崎淳一」

助産師、産婦人科医、臨床心理士による性教育バッシング純潔教育本。純潔教育というのは統一教会の教義にあるような結婚までは処女でいましょうという運動。 臨床心理士の石崎淳一氏は『大学の宗教迫害』で専門家の立場から大学で『迫害』されている統一教会…

「刺繍 イラン女性が語る恋愛と結婚/マルジャン・サトラピ」

イラン上流階級の女たちが語るセックスを巡るお話し。刺繍は処女であることが重視されるイラン社会での処女膜再生技術のメタファー。そうでしたか・・・。刺繍 イラン女性が語る恋愛と結婚マルジャン・サトラピ 明石書店 2006-06-29売り上げランキング : 827…

「匂える園/マホメッド・エル・ネフザウィ」

イスラム艶笑話集。腋臭の消し方とか、男女性器の呼び名とかはまあどうでもいいかなという感じですが、短いお話しが千夜一夜物語や「アラビアの夜の種族」みたい(というかこっちの方がこういう形式を真似したわけですが)で面白かったです。匂える園マホメ…

「オンナノコになりたい!/三葉」

ちょっとお勧め本がアレですけど。 男の娘のための女装本。骨格の違いから書いてあって著者の方の工夫の仕方がわかって面白かったです。 読み終えると著者の女装姿を見たくなりますね。オンナノコになりたい!三葉 ポストメディア編集部 一迅社 2007-08-25売…

「中国性愛博物館/劉達臨」

古代から近世まで中国の性愛の美術、文学、日用品までを網羅。そんなに趣味じゃないけど、清代の騎馬セックスの絵画(さすが遊牧民族という感じ)、嫁入りの際に女性に夫婦の営みを教えるための磁器なんかが面白かった。中国性愛博物館劉 達臨 原書房 2006-0…

「密やかな教育―“やおい・ボーイズラブ”前史/石田美紀」

稲垣足穂の「少年愛」、ヘッセの「デミアン」「知と愛」「車輪の下」といったヨーロッパ的少年愛の伝統の直接的な影響のもと、増山法恵を思想的ブレーンとして竹宮惠子と萩尾望都という天才的表現者のもとに花開いた「美少年愛」という伝統。それが、栗本薫…

 「セクソロジー異聞/下川耿史」

ピアッシング、ジェロントフィリア、女装、死姦、獣皮フェティッシュなどさまざまな性愛の形を淡々と記述。セクソロジー異聞下川 耿史 青弓社 1992-12売り上げランキング : 860617Amazonで詳しく見るby G-Tools

「伝奇・伊藤晴雨/斎藤夜居」

責め絵師伊藤晴雨の生涯。月岡芳年の鬼婆の絵を真似して妊娠した三番目の妻を逆さ吊りにするなど、現在だったら逮捕されかねない晴雨の「責め」への執念。売春婦だった妻は、おそらくは脳梅毒でその後発病とのこと。伝奇・伊藤晴雨斎藤 夜居 青弓社 1996-09…

「セクソロジスト高橋鐵/斎藤夜居」

「あまとりあ」の出版などで知られる性博士として有名な高橋鐵の生涯。文庫化されていたり結構今でもその著作を読むことはできるのですが、これまでちゃんと著作を読んだことがなく、どんな人かもよくわかっていませんでした。 ナルシスティックでやや誇大的…

「快楽身体の未来形/秋田昌美」

シーメール、ブラック・タトゥー、Submission & Domination、オットー・ミュール(スウィート・ムービの嘔吐シーンに出てたのがミュールだと初見以来20年を経てようやく知った)などウィーン・アクショニズム派、ルドルフ・シュヴァルツコグラーの自己去勢自…

「フェティッシュ・ファッション/秋田昌美」

ノイズユニット、メルツバウの秋田昌美氏によるボンデージ、ラバーを初めとしたフェティッシュ・ファッション論。 以下リンク先は性的な内容を含みます。 John Suttcliffe のラバーファッション Dressing for Pleasure - YouTube The Irving Klaw Classics -…

「「奇譚クラブ」の絵師たち/濡木痴夢男」

SM雑誌の走りである「奇譚クラブ」の歴史を絵師という側面から辿ります。シュールレアリスム画家の藤野一友(フィリップ・K・ディックのカバーイラストで有名)の責め絵師としての筆名中川彩子のこともちょっとだけ出ています。彼は「奇譚クラブ」には描いて…

「アダルトビデオ革命史/藤木TDC」

まーそんなにおもしろくなかったです。町田康出演のアダルトビデオ『おしりラプソディ』、雑誌『HEAVEN』の原型になった『JAM』についての言及があった程度。アダルトビデオ革命史 (幻冬舎新書)藤木 TDC 幻冬舎 2009-05-27売り上げランキング : 167648Amazon…

「欲望のゆくえ 子どもを性の対象とする人たち/香月真理子」

さまざまな子どもを性の対象とする人々を取材したルポルタージュ。作者自身が子どもの頃に性被害の体験があるそうです。 取り上げられているのは、文学的幼児性愛サイト運営者、ロリコンマンガ家、ジュニアアイドルの規制ぎりぎりの性表現、性加害者の自助グ…

ロリコン〜オタクに関する概説 「ロリコン 日本の少女嗜好者たちとその世界/高月靖」

風俗としてのロリコン〜オタクに関する概説書。「少女嗜好者」といっても『ペドファイル』みたいな児童性愛の人に取材するわけにはいかないので(児童虐待として通報義務があるから)、風俗としての「ロリコン」現象を包括的に描いている感じ。 それにしても児…

ママス&パパスの近親姦

音楽関係で読んでいるサイトでママス&パパスのメンバーであったジョン・フィリップスに対して娘が近親姦の関係にあったことを公表したということを知りました。新ママス&パパスの未発表音源コンピ発売|サイケデリック漂流記 女優のマッケンジー・フィリッ…

知られざるサブカルチャー 「教養としての官能小説案内/永田守弘」

官能小説とかいっても自分の中では宇野鴻一郎とか川上宗薫とか30年以上前でストップしている、というかビデオの普及によって「Oの物語」とかいった文学的ポルノグラフィーのわずかな流れ以外は駆逐されたと思っていた。でもニッチなようにみえて一定の市場…

「ふにゃふにゃ日記/菜摘ひかる」

以前に出た本の再編集版だけど、後書きに筆者の「病んだ」近況が載せられている。著者の死の直後に発売された。 内容的には他書とかぶる部分が多いが、みどころといったら著者自筆による四コママンガでしょうか。ふにゃふにゃ日記主婦と生活社 2002-11売り上…

「恋は肉色/菜摘ひかる」

風俗嬢菜摘ひかるさんの日常。ご主人との不思議な関係、両親との関係に連想が巡る。恋は肉色 (光文社文庫)光文社 2000-02売り上げランキング : 109922Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険 (知恵の森文庫) 眠らない女―昼はふつ…

完成された文体、醒めた目、早すぎる死「風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険/菜摘ひかる」

桜庭一樹の読書本みて借りました。新書版はなんか趣味悪いヌード写真のカヴァーなので、ゲットするなら文庫本が良いです。 ポルノグラフィー的な自伝なのですが、文体が良いですね。醒めた目と性愛への飽くなき希求と虚無感が印象に残ります。 お母さんはエ…

アメリカ人の性体験なんて読むもんじゃないな 「サレンダー 服従の恍惚」

アマゾンで「Oの物語」のお勧めとして表示された本を少しずつ読んでますが、これも外れ。アメリカ人の性体験なんか読むものじゃないなと思いました。サレンダー 服従の恍惚Toni Bentley 文藝春秋 2006-01売り上げランキング : 89689Amazonで詳しく見るby G-T…

ホモセクシャルの世界史/海野弘

ホモセクシャルの世界史海野 弘文藝春秋 2005-04-23売り上げランキング : 219689Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 江戸の男色―上方・江戸の「売色風俗」の盛衰 (新書y) 武士道とエロス (講談社現代新書) 同性愛のカルチャー研究 BL新日本史 本朝男色考…

日本売春史―遊行女婦からソープランドまで/小谷野敦

小説もいいですが、やっぱり猫猫先生にはこういう批評を書いていただきたいです。 「江戸幻想批判」の続編という感じで、一部で美化される近代の売春の否定的側面と、現代の売春との連続性を強調しています。 ユング心理学にも、「聖娼」として売春の美化を…

アダルト系/永江朗

別冊宝島などに発表された性風俗中心のルポルタージュ。SM、女装、ブルセラ、ポルノ雑誌の歴史など。性愛関連以外にもタトゥー、ブラック・ジャーナリズム、信用調査、盗聴などに関する文章も収められています。アダルト系 (ちくま文庫)永江 朗by G-Tools

ある日突然、縛られて/大谷佳奈子

女性ライターによる実生活でのM体験を含むSMレポート。ある日突然、縛られて大谷 佳奈子大和書房 1995-11売り上げランキング : 572654Amazonで詳しく見るby G-Tools

SとM/鹿島茂

子どもより古書が大事で、鹿島先生、借金しすぎてたくさん原稿を書かねばならず語りおろしのSM文化論です。 キリスト教がゲルマン化する中で、最初はキリストの復活におかれていた焦点が、キリストの苦しみにあてられM化したとか、外国のSは動物の家畜化が原…