書かれなかった解説 二階堂奥歯とロリータ順子

 本の解説で語られた今はこの世にいない女性がふたり。生きていたら解説を書いていたかもしれないふたり。新井千裕「図書館の女王を捜して」で筆者が若かりし日の交流を描いている故・ロリータ順子と木地雅映子の「悦楽の園」の解説で穂村弘があげている故・二階堂奥歯。といっても「悦楽の園」の穂村弘の解説はまだ未読なんだけど。


 タコというバンド自体にそんなに思い入れはないのだけど、そのファーストアルバムに収められていた中心人物の山崎春美の前バンド、ガセネタには衝撃的なインパクトを受けていた。その山崎春美の元妻がロリータ順子。たった一度だけステージで見た記憶がある。記憶が混濁しているので検索してみると多分1981年8月15日の「天国注射の昼 vol.3」で神様、神様と叫びながら踊っていた。
 ロリータ順子が死んだというのはフールズ・メイトか何かで知っていた。誰かに身体が弱くて風邪で亡くなったと聞いたように思う。
 本の後書きを読んで、山崎春美とは別れていたこと、他の男性と結婚すると新井氏に語っていたこと、新井氏との絶縁の直後に亡くなっていたことを知る。


 と、ここら辺くらいまでを昨日書いたんだけれど、想いがまとまらずちょっと放置しておいた。盛岡に出張だったので帰りに仙台を通った。ちょうど twitter二階堂奥歯さんの墓参りの話題が出ていたから、ブログを更新していない雪雪さんのこと、木地雅映子さんと雪雪さんのウェブ上での邂逅なども頭を巡っていた。出張を挟んで久々に大学に出勤したら小包が届いていた。


 ああ、なんとなんと木地雅映子さんご本人から文庫版「悦楽の園」をいただいてしまいました!!!
 穂村さんの解説を読んでとりあえず泣きました。いただいた本は娘が今夢中で読んでいます。
 一瞬あれもう俺はブログを投稿したのだっけと思って思わずブログを見返してしまいました。木地さんやっぱりエスパーなんじゃないでしょうか。
 この場をお借りしてとりあえずお伝えします。ほんとうにどうもありがとうございました!!!


 悦楽の園/木地雅映子 http://d.hatena.ne.jp/you999/20071030/p4


 twitter のつぶやきで知りましたが、ちょうどこれから読もうとしていた「歪み真珠/山尾悠子」の予約特典でも山尾さんが矢川澄子のことを書いているのですね。残念ながら読めませんけれど、不思議な感じですね。


 もう一つの小さな偶然、ロリータ順子の命日はぼくの誕生日、二階堂奥歯の命日はぴゅん氏の誕生日。連関するのは死と生。コインの表と裏。