empathy は感情移入か?

 サリヴァンにおいてはすべてはインターパーソナル。もちろん感情も。そういう意味では自分の内面に感情を取り込むというようなニュアンス(bringing feelings into oneself みたいな)の「感情移入」はぴったりしないと思う。文字通りこれは (both you and me) in feelings ってことじゃないかな。


 感情移入(empathy―感情のとりこみ)とは、幼児と、幼児にとっての重要人物たち―母親や乳母など―との関係を支える一種特別の感情の絆を指す言葉である。   「現代精神医学の概念/ハリー・スタック・サリヴァン」 中井久夫訳 p.26
 中井先生のこの訳は、実は(感情の取り込み)っていう部分は訳注なんだけれど、それが明確でないのはまずいと思う。
 じゃあどういう訳がいいかというとちょっと難しいので考える。


(2012.4.23追記) 考えた結果の訳語は「エンパシー」あるいは「情動共振」。

現代精神医学の概念
現代精神医学の概念中井 久夫

みすず書房 1976-01
売り上げランキング : 372685

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
The Interpersonal Theory of Psychiatry
精神医学的面接
精神医学の臨床研究
分裂病は人間的過程である
精神科治療の覚書 (からだの科学選書)


 サリヴァン関連書籍がもうすぐ出版される。

Sullivan Revisited: His Relevance for Contemporary Psychiatry, Psychotherapy, and Psychoanalysis
Sullivan Revisited: His Relevance for Contemporary Psychiatry, Psychotherapy, and Psychoanalysis
Routledge 2011-01
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools