「リウスの現代思想学校〈2〉エコロジー/リウス」

 山崎まどかさんが通っていた前述のトラウィカ学園の設立者で故国メキシコでは有名な左翼的政治マンガ家であるリウスのエコロジー論。「メキシコの転校生」にもリウスはおもしろいおじさんとしてちょこちょこ登場しています。マルサシズム批判としてのマルクス主義から、反ドラッグ、反コカ・コーラ、反アルコール、反向精神薬などを主張。ヴァリウムが抗うつ薬と書かれたりしてて、その論拠はちょっと妖しい感じで、左翼政権成立で飢餓が亡くなった国に北朝鮮が入ってたりして今見ると笑っちゃうところもありますね。ただ、左翼思想が政治的革命運動としては失敗して、エコロジー系に流れていく感じはよくわかります。
 この本の訳者は山崎カヲル氏、東京経済大学教授ですが、心理学関連ではヴィルヘルム・ライヒの訳者としても知られています。鈍いことに著者略歴をみてようやく気づきました。山崎カヲル氏は山崎まどかさんの御尊父なのですね。それでいろいろなことがつながりました。まどかさんが政治系でなくて、ガーリーの方に進まれたのは幸福なことではなかろうかと思いました。
リウスの現代思想学校〈2〉エコロジー (1982年)
リウス

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