ミロンのパーソナリティスタイル

■ミロンのパ−ソナリティ・スタイル
1993/ 7 /4 11/ 1

1)シゾイド・スタイル
 基本仮説「世界に対して関心がない。対象に関心を示さない」
 感情的に揺れない。
 沈黙が多い。
 面接にはきちんと来る。

 フロイト 転移は起こらない。精神療法の対象にはならない。

 治療上のコツ
  沈黙の共有
  シゾイドスタイルだけが前面に出いてる神経症
怒り、依存が隠れている。
共存の意味 マトリックス
セラピストがいろいろなスタイルを見せて、相手の反応を見る。
人とのインターフェイスが見られない。
本人の了承なしに侵入することにだけ気をつける。
「距離をとってください」というメッセージを見逃さない。
ゾイドの人には「感情にふれなければだめ」ということは当てはまらない。
コンテイニング。
距離をとることに文句を付けない。
直接関係ないことでもいろいろ話をする。
解釈、直面化はいけない。カウンセラーの側の不安を表わしている。
話の素材を提供し、話を結びつけない。

2)アボイダント・スタイル
 拒否されることが恐い。
 「おどおどしなくてもいいよ」と言いたくなる。

 拒絶されないと言うことを再保証する。
 セラピストが出ていく。「近づきすぎないこと」
 安全な距離をつかむ。人間関係の経験が浅い。
 クライエントがこのセラピストは拒絶しないという判断を与える。
 クライエントは関係を持ちたがっている。
 セラピストはあまり早く言わず、あわてなければよい。
 イライラしないことが大事。

 クライエントの敏感な領域に敏感になる。
 誠実さが必要。遅刻、時間の変更に注意する。
 「わかった」と簡単に言わない。

3)依存スタイル
 頼りさえすればうまくやっていける。
 うっとおしい、かわいい、とぼけている
 神経症レベルの人に依存性を直面化すると怒りが生じて中断することが多い。

 目標の共有。セラピスト、クライエント、目標の三角関係を作る。
 作業課題の明確化。チャンスづくり。
 作業内容さえあれば、作業は進展する。
 「ここに至るまでのひとつひとつを話してみましょう」
 枠組だけは提示する。

4)演技スタイル
 操作に反応しない。
 セラピストが受動的だと演技性は高まる。

 健康な部分に着目する。
  行動化以外には反応。
  冗談のどこが面白いかを説明してやる。

  ヒステリック=子どもっぽいということ 同じ地平にたってはだめ。
子どもの冗談には笑うようなもの。
クライエントのよい部分については指摘する。

5)自己愛スタイル
 傷つけない、競争しない。
 自己愛の傷つきへの恐れ。
 
 とめないでコンテインする。とめればどんどん肥大していく。
 関係の維持。影響しあう関係になる。
 セラピストがやっつけられる場にいなくてもいい。
 話題を巡って話を続けていく。
 クライエントをやっつけなくてもいい。死なないこと。

6)反社会スタイル
 コフートはナルシスティックと同じものとしいてる。
 カーンバーグは分けている。

 勝った話をする。自尊心の安全感。
 物欲、傷つきやすさが近い。
 暖かさ、柔らかさ、やさしさを避ける。
 「めめしい」 フェミニストを怒らせる。
 さみしさ、愛されたいという欲求を表せない。
 反動形成的に遠ざけている。
 競争の中では生き残れる。
 勝った話を聞いて自尊心を高めながら、勝ち負け以外の話題を求めていく。

7)強迫スタイル
 逆転移の問題。
 感情を表出しない。
 クライエントの枠を揺さぶらない。不安の元になる。
 クライエントの安全規範の中で、セラピストがどれだけ自由に話せるか。
 枠と枠の喧嘩。
 記憶もきちんとしている。題材もはっきりしている。
 神経症的な強迫はきっちり治る。
 防衛をといてくれない。
 正確さ、タイミングが要求される。
 口唇期から肛門期の課題があれば、かなりのエネルギ−が必要。

8)受動攻撃スタイル
 難かしい。
 両値性
 「頼りたくても頼れない」 土居健郎
 セラピストの健康なマゾヒズム性への信頼。

 相乗的な受動攻撃性。
 自分の揺れを支えてくれる人を確保。
 スーパーバイザーではだめかもしれない。
 見捨てられる不安が受動攻撃性を倍加する。

 距離、対象関係の問題
  引きこもらない、抱え込まない、攻撃しない。
  スーパーバイザーが役に立つ。
 
 手をさしのべると馬鹿にされたと思う。
 遠すぎると不安になる。
 アグレッションが届かない。