トイレに住みついた少年／杉浦昌子

　先日逮捕されたアイ・メンタルスクールの代表で同じくひきこもり施設を主催している長田百合子氏の実妹によるひきこもり事例集。書籍の存在は知っていましたが、「熱血カウンセラー」の副題に読む気が失せていました。
　事件を契機に目を通してみました。姉とたもとをわかった経緯も少しだけふれられています。いきなり訪問先であばら骨を折られる事例から始まり、区役所の職員だと偽って引っ越しさせたり、ハードな事例が続きます。確かにこれで2時間6000円だったら困っている親はすがりたくなりますね。「拉致」などぶっそうな表現もちらほらのぞいています。
　自分も心理職にしては結構、訪問している方ではないかと思いますが、その難しさは多少身にしみています。訪問には相手の土俵で相撲を取る難しさがあるのですが、それを無理に自分の土俵に引きずり込もうとするとやっぱりいろいろ歪みがでてしまうのでしょうね。
トイレに住みついた少年―熱血カウンセラーが見たひきこもりの現実
杉浦 昌子



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