薬でうつは治るのか?/片田珠美
著者の方は『こころの科学』の解離特集号で中井久夫先生らと対談をしていましたね。『攻撃と殺人の精神分析』は残念な本でしたが、これはまっとうなうつ病治療批判の本。やっぱり、ラカンとかいわない方がいいんじゃないでしょうか。
SSRIと攻撃衝動の関連。全日空ハイジャック機長殺害事件の犯人が精神科クリニックの精神科医から投与された国内未承認のプロザックを飲んでいたこと。コロンバイン銃乱射事件とSSRIの関連。純粋に衝動的な自殺とか殺人ならともかく、ああいう計画的な犯罪とSSRIの関連性をどこまで問えるかは疑問なとこもあるけど、SSRIの賦活作用には注意をしておく必要があるのは確か。
検索してみるとバージニア工科大銃乱射事件、京都の塾講師による児童殺害事件など様々な事件とSSRIの関連を指摘する記載がウェブにはありますね。パキシル飲んでる人がみんな攻撃的になるわけじゃないですから、メリットとリスクをやっぱり天秤にかけないといけないのでしょう。ここらへんがサイエントロジーと噛んできて向精神薬否定論になるとまた怪しい話になるし。
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