自傷行為に関する概説書。症例としてダイアナ妃、マリリン・モンロー、南条あやなどが挙げられている。
近年、高い頻度で生じ、しかも不気味な増加傾向を見せる「自傷行為」。
リストカットをはじめとする自己切傷、過剰服薬といった多様なかたちで現れ、学校や地域社会、家族などで問題となっているこの病理は、なぜ起きるのか。
そして、それにどう対処すればいいのか。
本書は現場に立つ第一線の精神科医が豊富な症例をもとに、自傷行為への理解と対策を平易かつ具体的に解説する。
みずからの身体を意図的に傷つける苦しみに悩む人の回復への道がここに開かれる。
目次
第1章 自傷行為とはなにか?
第2章 ダイアナ妃の苦悩
第3章 さまざまな発生要因―社会文化的要因および生物学的要因
第4章 マリリン・モンローと南条あや―自殺未遂との関係
第5章 三つのモデル症例
第6章 精神疾患との関係
第7章 自傷行為への対応
第8章 自傷行為の治療
第9章 さまざまな対処法・治療法
エピローグ 「わたし」の回復
マリリン・モンローの主治医は最初マリアンヌ・クリス(『芸術の精神分析』の著者である非医師分析家エルンスト・クリスの妻)、それからラルフ・グリーンソン。グリーンソンはモンローに自宅のそばに住むことを勧め、養女のように関わろうとしたという。