乾隆帝―その政治の図像学/中野美代子


 清朝というと末期の阿片戦争太平天国の乱あたりの没落しゆく退廃期が思い浮かぶけれど、康煕帝雍正帝乾隆帝の黄金時代は、征服王朝としては未曾有の繁栄をしたのでした。
 図像の解読を中心に絶対皇帝たる高宗乾隆帝の治世をえがきだしています。自分たちは漢人に弁髪を強制しといて、ちゃっかり漢人コスプレを楽しんだりしてます。父親の雍正帝同様、さまざまな姿の皇帝像をお抱えの西洋絵画の絵師に描かせていたようです。残念なのは新書のために図版がモノクロ中心でいまひとつわかりにくい点でしょうか。


 シャングリラがチベットというのは知ってましたが、ザナドゥー=キサナドゥーがモンゴルとは知りませんでした。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%8A%E3%83%89%E3%82%A5

乾隆帝―その政治の図像学 (文春新書 567)
乾隆帝―その政治の図像学 (文春新書 567)中野 美代子

文藝春秋 2007-04
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