先日図書館でたまたまカフカの恋人だったミレナ・イェセンスカの伝記『カフカの恋人ミレナ』を手に取りました。『ミレナへの手紙』という巻がカフカ全集にあることは知っていたけど、読んだことはなくて、なんとなくさえない保険会社の社員カフカの垢抜けない恋人なのかと思っていたけど、全然違って、チェコの女性ではテニスのナブラチロワの次に有名なのだという。ナブラチロワ、アメリカに亡命してたから、じゃあしばらくはチェコ人有名女性の一位じゃないですか。ウィキで一応確認したら、ナブラチロワ、去年チェコ国籍再取得して現在はアメリカとチェコの二重国籍だそうなので、残念ながらまた一位の座は明け渡しちゃったみたいですが。(最近のチェコ人女性情報には疎いので無視ということで・・・)
ミレナはジャーナリストでカフカの作品に注目して、チェコ語への翻訳をカフカに申し出たのがきっかけで文通と交際が始まったようです。ミレナには夫がいたので、結局交際は立ち消えになりました。その後ミレナはナチスへのレジスタンス活動に参加、最後は強制収容所で腎臓疾患のために亡くなっています。
カフカの恋人 ミレナ (平凡社ライブラリー) | |
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そんなことがあったときにタイミング良く予約していたカフカ関連本が届きました。こちらはフランスの精神科医のフェリックス・ガタリのカフカ関連の文章を集めたもの。ガタリというとコンビを組んでいた哲学者のドゥルーズの印象が強くて、今ひとつ地味なんですが、まあこの本を読んでもそういう地味な印象は変わらないですね。ちょっと寄せ集めの文章なんでしょうがないですが。
カフカの夢分析、というタイトルなので思わず精神分析的な解釈などを期待してしまいますが、掲載されているのは『カフカの65の夢』という、カフカの夢の紹介的なテキストでそんなにつっこんだ分析をしているわけではないです。
でも、多くは親族や恋人への手紙に書かれたカフカの夢はやっぱり彼の作品を連想させて面白いですね。
23番目の夢=「ぼくは絶えず歯の夢を見続けました。顎のなかにきちんと並んだ歯ではなくて、歯車のように組み合わされた歯です。」
Milena Jesenska - Wikipedia, the free encyclopedia
63番目の夢=ぼくたちは互いに入れ換わり続けたのです。私はあなたであり、あなたは私であり・・・
カフカの夢分析 | |
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