「癒しの森―心理療法と宗教」

 實川先生が書いているのでチェックのため読みましたが、平井孝男先生の仏教的心理療法、今は亡き井上亮先生のイニシエーション論、精神科医塚崎直樹先生の「行」と心理療法、黒木賢一先生のトランスパーソナル論となかなか役者がそろっていますね。
 實川先生のここのところのくだりは感動的ですね。


 そうして生まれてくるであろう新たな心理療法は、もはや「心理療法」という名にふさわしくないかもしれない。心を個人のうちに囲い込んではじめて、「内面の理法」としての心理は問われるからである。新たな心理療法は、内面に閉じた心にではなく、「環境」の中の人や、この世を超えた霊、魂、神、万物を貫く理法に関わり、人としてのすべてを挙げて生き死ぬことを問う。 p.34


 やっぱり加藤先生は突き抜けてますね。


 クルクルパーとは、すなわち狂っていること、病である。人はもがいて動き回り、クルクル回りながら軸を外れて飛び散り、核心を失い、すべてを喪う。これに対してクルクルQは、同じように回りながら回転を狭め、軸となっている姿なき何ものかへ近づいておさまりゆく。
癒しの森―心理療法と宗教
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