ユングによるほとんどアウトサイダーアートというかLSDでトリップしながら描いたみたいな曼荼羅絵多数の豪華本。
この本を見たらヒッピーのルーツがスイスにあったっていうことがよくわかる。オットー・グロースのいたアスコナのあたりの性的オープンさ、内的世界への没入、東洋への傾倒、みんなスイスにあったわけ。ユング研究所がLAにできたのは全然偶然ってわけじゃないね。
しかしほんとにユングは超越してます。従来、この時期の精神的混乱と、曼荼羅への傾倒はフロイトとの決裂が原因などといわれてきたけれど、やはり患者であったシュピールラインとの性的関係でブルクヘリツリ病院にいられなくなったことの方が大きかったのではないかと思います。それでユングが何考えてたかというと、そんな自分の治療者の限界とかじゃ全然なくて、こういうニーチェもどきの神話もどきの世界なんだから。きちんと読むのは本も重くてつらいけど、絵とユングの書き連ねた文字を見るだけでもいいかも。
赤の書 ―The“Red Book” | |
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