「図説ユング 自己実現と救いの心理学/林道義」

 カラー図版が多くておもしろいですね。ただ、ユングに甘いのは以下同文。


 当時のスイスの社会では、医師が患者と深い仲になることは道徳的にとうてい許されないという考えが支配的だった。(p.58)
 シュピールラインとの性的関係のことを言ってるわけですが、これじゃまるで今はそうじゃないかのようです。


 それからユングシュピールラインを不幸にしたという思いがあったから、次に同じ患者であり性的関係を持ったトニー・ヴォルフを妻と同じ家に住まわせたっていう筆者の解釈にはとうていついていけません。というかシュピールラインにもユングは同じように妻と同じ家に住むように働きかけて断られていたというのをどこか(シュピールライン本?)で読みました。

図説 ユング―自己実現と救いの心理学
図説 ユング―自己実現と救いの心理学林 道義

河出書房新社 1998-06
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