スティーブン・ミッチェルら新サリヴァン派、関係精神分析学派の入門書というよりは、自己心理学派、間主観性論者から、どちらかといえば主流派のマートン・ギル、乳幼児観察のダニエル・スターン、ベアトリス・ビービーらボストングループまで「二者精神分析」の入門書という感じですね。
そんな細かいところで差異を言い合わなくてもいいのでは、と思いつつ読みました。
下記の部分はサリヴァンのエンパシー論文にも関わってくるのでメモ。
さらに彼は、晩年になって、当初は患者の主観的世界を知るためのデータ収集方法としてのみ定義していた共感を、患者の体験を直接変容させる機能を持つものだと述べた。(Kohut, 1982) (p.137)
Kohut, H. (1982) Introspection, empathy and the semicircle of mental health. International Journal of Psycho-Analysis, 63, 395-408.
エンパシー関連では横井先生が"empathic linkage"に対して「感情移入の連鎖」という全く残念な訳語をあてていました。
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