日本人間性心理学会で『心理資格問題をめぐる報告と検討の会』の開催を理事会が否決

 2005年9月23日〜25日九州大学日本人間性心理学会九州大学で行われました。理事の實川幹朗氏が『心理資格問題をめぐる報告と検討の会』の臨時開催を提案をしましたが、理事会はこれを却下しました。
 あくまで開催を求める實川氏側と、それを阻止しようとする運営委員会側に対立が生じ、当日は開催予定とされた教室にはテープが貼られ、運営委員会側が会の実施を阻止しようとする異常事態。結局、会は中庭で行ったそうです。
 野島一彦理事長は10月10日付けのニュースレターで實川理事を「分派活動」として非難。(僕は会員ではないゆえ、このニュースレターは未見です。ニュースレターは学会ウェブサイトで公開されていますが、まだこのニュースレターは掲載されていません)
 實川理事はこの反論を会員に電子メールで配信しています。

 先に臨床心理士会の倫理規定違反の問題を取り上げました。政治的な意見が異なる人を排斥するような職能団体や学会は健全とは言えません。これまではいった情報から判断すると、なぜそこまでして会の成立を阻止しなければならないのかがよく理解できません。公開シンポジウムと重なるという事情はあるにせよ、テープを貼ってまで排斥するのは、シンポジウムに全心協の関係者が呼ばれたからではないかと思えてしまいます。
 一方的に全心協の主張だけをプロパガンダするならともかく、實川先生の企画は臨床心理士側、全心協両側からの経過の説明をするというふうにあります。
 日本人間性心理学会は学会として国家資格臨床心理士の支持を表明しているわけですから、会員にとっても資格問題は重要な議題であるものと思われます。
 なにより対話の場を排斥するのはロジャースの人間性心理学の精神に反すると思うのですが、いかがなものでしょうか。
 来る12月11日には「第24回大会をめぐる實川理事の行動への対応について」という議題で臨時の理事会が開かれるそうです。臨床心理士の倫理規程違反で危惧した異分子排斥が現実のものになってしまう危険性も感じられます。日本人間性心理学会のあり方そのものが問われる理事会になりそうです。

 このエントリの内容は基本的に實川先生が配布した電子メールを元にしています。ただ、いちおう他のソースからも確認はしています。運営委員会の側に立つと違う視点があるかもしれません。運営委員会側の方にも個人的に尋ねてみましたのですが、残念ながら回答は得られませんでした。内容に疑義がある方はコメントいただければと思います。