内申書、就職活動、心療内科、心の教育、自助マニュアルなどの素材を、デュルケームの人格崇拝、リッツアーのマクドナルド化、ホックシールドの感情マネジメントなどの概念を通じて、その心理主義化を批判する。
”心理主義化”とは、心理学や精神医学の知識や技法が多くの人に受け入れられることによって、社会から個人の内面へと人々の関心が移行する傾向、社会的現象を社会からではなく個々人の性格や内面から理解しようとする傾向、および「共感」や相手の「きもち」あるいは「自己実現」を重要視する傾向、である。 p.9
- 心理学主義 psychologism 「社会生活のすべての法則は究極的に『人間性』という心理学的法則に還元可能でなければならない」 Popper,K.
- 人格崇拝 Durkheim,E. Goffman,E.
- 合理化 Weber,M. Ritzer,G.
- 自己心理学における人格崇拝
精神分析の浸透をバーガーは公私の分離、宗教の世俗化によるアイデンティティの不安定化、社会の複雑化に伴って無意識概念がリアリティを持つに至ったことを挙げる。またベラー「心の習慣」やラッシュ「ナルシズムの視点」はアメリカ人のナルシズムを、フーコーの影響を受けたローズは心理学的知識を権力としてとらえる。ギデンスは自助マニュアルの分析から親密性の変容をその要因とする。
自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実 | |
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