ウィニコット書簡集/D.W.ウィニコット
小児科医・精神分析家のウィニコットの書簡集。宛先は、メラニー・クライン、ビオン、マネー・カイル、ロゼンフェルト、シーガル、ビック、メルツァー、ジョセフ、リヴィエールといったクライン派の面々、バリント、ボウルビー、ライクロフト、ガントリップといった独立派の人々、アナ・フロイト、ジョーンズ、フェダーンなどの自我心理学派の人々、それからラカン、反精神医学のレイン、サース、ユング派のフォーダム、「スポック博士の育児書」のスポックにも。タイムズ誌に結構投稿していて、スポンサー付きのテレビ局に対する遺憾の意の表明など、パーソナルな側面も眺められて楽しい。
内容(「BOOK」データベースより)
本書の第一の意義は、その読み物としての面白さだけではなく、幾つかの「学問的」な価値にある。読者はまず、本書でウィニコット理論の背景に横たわるものを知ることができ、彼が外的環境の重要性を、それまでの一者心理学に対してどのような論調で主張していたかを知ることができる。これにより彼の理論的理解に厚みができて、展望が立体的になる。次いで、とくにクラインに対して、そしてクライン‐A.フロイト論争に対し、分裂を厭わぬ派閥ができ組織が硬直していくことについて、何度も懸念を表明するウィニコットは、英国精神分析協会を柔軟にして統合を維持しようとする独立学派(中間学派)の居場所を鮮明にしてくれる。とくに、派閥を解散するよう、彼女たちを説得する彼の姿が印象的である。
内容(「MARC」データベースより)
ウィニコット理論の背景に横たわるもの、そして彼が外的環境の重要性を、それまでの一者心理学に対してどのような論調で主張していたかを知ることができる貴重な1冊。人間ウィニコットの情緒が見えてくる書簡集。
ビオンの「記憶なく、欲望なく」というフレーズがT.S.エリオットからとられているということを始めて知りました。
- リヴィエール、グラヴァー、サースの表記違いは毎度のことですが、「ステファン・A・ミッチェル」という表記は恥ずかしい。もちろん Stephen は「スティーヴン」。
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