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原題は"Contemporary Psychoanalysis and Religion" 。タイトルに「精神分析」ははいっているものの「聖なるもの」に引きずられて、何となくユング的なものを予想していたけれど、対象関係論、自己心理学的な視点が多くて意外な感じ。訳者もユング派なので「聖なるもの」に焦点をあてたい気持ちはわかるけど、やっぱり「現代の精神分析と宗教 〜対象関係論・自己心理学的視点から」みたいなタイトルがよかったんじゃないか。
内容(「BOOK」データベースより)
フロイトとユングに始まる精神分析的な宗教研究をふまえた上で、今日の精神分析の代表的な理論家、フェアベアン、コフート、ギル、マイスナー、リッズト、リーヴィレオワルド、ウィニコットらの「関係のモデル」を扱う。次に神のイメージの問題をさまざまな症例をあげて具体的に取り扱い、聖なるものの精神分析の可能性を探る。
目次
序論 新しい精神分析と宗教研究
1章 関係のモデル
2章 転移と超越
3章 転移と宗教の動態
4章 転移と変容
5章 聖なるものの精神分析に向けて
日本ではやっぱり新興宗教でもないとセラピーの中で宗教が問題にされることは少ないように思うけれど、テーマとなると微妙な問題だね。
- p.159 乳児などというものは存在しない。 なぜかラカン的になってしまっている。「ひとりの乳児などというものは存在しない」と訳さないと意味が通じない。母親と赤ん坊はいつもセットだということ。
聖なるものの精神分析 | |
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