子どもと家庭 その発達と病理/D.W.ウィニコット

 この本で使われている「ほどよい母親」というのもよくない訳語だけれど、牛島先生の後書きに寄ればそれ以前は何と「適切な母親」と訳されていたよう・・・。その他にも"toddler"(よちよちあるきの幼児)が幼稚園児と訳されていたり、誤訳も目につく。そろそろ全面改訳が必要かな。

  • i わが妻クラーレに捧ぐ → クレア
  • p.19 自然発生的にできた保護的編隊 natural protective forces → 自然の保護力
  • p.154 全国的にも最新式で、設備も良く、清潔で、クロス張りのクリニックであっても even if it be the most modern, well-equipped, sterile, chromium-plated clinic in the country. → たとえ地方でいちばん新しく、設備も整っていて クロムメッキ済みで滅菌されたクリニックであっても  普通考えてクロス張りで清潔な訳はないので調べてみたらやっぱり誤訳
  • p.166 分析家が必要とすることはすべて、両親が支持してくれたのです。What the analyst needs gains support from the parents, → 分析家が必要とすることは、両親の支持を得ることです。
  • p.197 頭の中で大汗をかくようなドンチャン騒ぎ的な性質の体験をしていることもあります。 showing the orgiastic nature of the experience by sweating in the head. → 顔に汗をかいて恍惚的な性質の体験を示しながら  まあ普通頭の中に汗はかけません・・・

子どもと家庭―その発達と病理
子どもと家庭―その発達と病理D.W.ウィニコット

誠信書房 1984-01
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