べてるの家、リフレクティング・プロセス、ミスター・スキゾなどナラティヴ系ではいつもの話題が多いですが、目を引いたのは日本人から凄まじい差別を受けてきたアイヌの人々の語り。ロジャーズが北アイルランドでのカソリックとプロテスタントの対立に対して行ったようなグループ的な対話と同じような試みが、パレスチナでのユダヤ系とアラブ系の間でも行われているということ。相手を「テロリスト」「侵略者」というステレオタイプでみていた家族をテロや戦争で失った人々が、語りに耳を傾けることで人間としての苦しみを持つ人であるということに気づくプロセスは胸を打たれます。
目次はじめに 野口裕二
序 章 ナラティヴ・アプローチの展開 野口裕二
第一章 エスノグラフィーとナラティヴ 小田博志
第二章 オルタナティヴとしてのリフレクティング・プロセス
ナラティヴ・アプローチへのシステム論的処方箋 矢原隆行
第三章 医療におけるナラティヴ・アプローチ 小森康永
第四章 看護学とナラティヴ 大久保功子
第五章 私の家族療法にナラティヴ・セラピーが与えた影響
ナラティヴを取り入れた新たな家族療法の臨床実践 吉川 悟
第六章 社会福祉領域におけるナラティヴ論 木原活信
第七章 生命倫理とナラティヴ・アプローチ 宮坂道夫
第八章 紛争をめぐるナラティヴと権力性
司法へのナラティヴ・アプローチ 和田仁孝
第九章 組織経営におけるナラティヴ・アプローチ 加藤雅則
終 章 ナラティヴ・アプローチの展望 野口裕二
ナラティヴ・アプローチ | |
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