トラウマ

「震災と心のケア 子どもの心の傷がPTSDになる前に/片山 和子 湯汲 英史 石崎 朝世」

小児科医、サイコロジスト、言語聴覚士による一般向けの震災時の子どものケアに関する本。読みやすいです。 手書き文字のはいったイラストも良いですね。 ゼミ聴講だけでも経歴に書かれるところがさすが河合隼雄先生ですね。震災と心のケア 子どもの心の傷が…

「3.11後に「心のフタ」が壊れてしまった人たち 「疑似被災」という病/堀之内高久」

何かタイトルだけ見て、バッシング本かと思ってしまいましたが、「擬似被災」っていうのはTVなどで間接的に心理的ショックを受けた人という意味でした。擬似というとどうしても pseudo- 偽のをイメージしてしまうので virtual の訳語としては不適切だと思い…

「震災トラウマと復興ストレス/宮地尚子」

トラウマ体験を専門とする精神科医の著作。ほんとうに薄っぺらな本ですけど、著者の「環状島モデル」はいまここで起こっている甚大なトラウマ体験を見事に描き出していると思います。是非、一読をお勧めします。震災トラウマと復興ストレス (岩波ブックレッ…

「トラウマを理解する―対象関係論に基づく臨床アプローチ/キャロライン・ガーランド 編著」

タビストックでやっている回数限定のトラウマ・コンサルテーションやトラウマに焦点を当てた精神療法の実例。 日本でもトラウマ外来みたいな選択肢はあっていいと思う。まあ、イギリスにしたってタビストックくらいなんだろうけど。 でも基本は精神分析なの…

「悲しみに言葉を―喪失とトラウマの心理学/John H. Harvey」

事件・事故による近親者を喪う悲しみから、PTSDまでさまざまなレヴェルでの喪失を社会心理学的視点から考察。D-Day体験者の話があって、日本がらみは日本人の捕虜虐待と南京虐殺だけで原爆被害については全く触れないというところはアメリカ人の限界か。悲し…

さすが自己心理学という誤植 「トラウマの精神分析―自伝的・哲学的省察/ロバート・D・ストロロウ」

本文は実質70ページくらいの小著ですが、訳者の和田先生の本文への詳細な注釈、ストロロウとの対話、長い解説(本文の半分くらい)がついてます。 近頃はやりの「間主観性」(最近始めた日本臨床心理学会の非公式ディスカッション・グループでも話題になってま…

身体に刻印されるトラウマ 「PTSDとトラウマの心理療法―心身統合アプローチの理論と実践/バベット・ロスチャイルド」

原題は"The Body Remembers: The Psychophysiology of Trauma and Tauma Treatment" 「身体は忘れない:トラウマとトラウマ治療の心理生理学」で主なテーマも「身体記憶 somatic memory」ってことなので、メインタイトルに「身体」って言葉がほしかったかな…