精神分析家フロイトのフリース宛の書簡集はすでに1950年代にエルンスト・クリスの編によって発表されていた。本書はサンスクリット語学者であったマッソンが1986年にクリス版では削除されていた手紙を補い刊行した完全版。マッソンは本書を通じてフロイトの性的外傷論の放棄を批判し、これが解離性パーソナリティ障害の病因としての外傷体験の存在を支持する理論的なバックボーンとなった。そこらあたりが解説の文章からは伝わってこないあたりが残念なところ。
そろそろフロイト−フェレンツィの往復書簡集も日本語にされてもよい頃かな・・・
- p.17 フランス語の語句におけるアクセントの間違い → アクサン記号の間違い
フロイト フリースへの手紙―1887‐1904 | |
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