臨床心理士は理念であって未だ職業でない

 臨床心理士労働組合結成がネットでも話題になっていますね。
 臨床心理士は未だ理念であって、職業として確立していないのだと思います。
 そもそも資格の策定に当たって生計が経つような職業モデルとして考えられていません。それは大学の教員という他に主たる収入源が安定している人々が、現実的な収入などに関して甘い見込みの元に量産した資格なので残念ながらこれが現状です。
 それによって臨床心理士養成は職業として安定したわけですが・・・。
 臨床心理士が組合活動なんてどうよ、という意見もまあ大学の先生の理念追求と同じだと思います。「臨床心理士は組合活動なんかふさわしくない特殊なもの」みたいに聞こえてしまします。
 ぼくは心理の仕事が普通の職業になったらいいと思っています。
 個人的には組合関係の仕事、心理職の人々にはよい経験になるのではないかと思います。(特に病院では)。そういう意味では看護の方は普通の職業であって、一緒に組合活動をしていろいろ学ぶことが多かったです。
 個人的には、病院でかりぶ氏あたりが中心となってやっていた組合活動をかりぶ氏が経営側にまわっていやいや副執行委員長などを引き受け、やりあっていたわけです。今回の臨床心理士のユニオンが所属している全国一般の下部組織に病院の組合も所属していてそちらの会合や、精神科病院の全国組織の政策委員会にちょびっとだけ顔を出したりもしていたのですが、そういうバックがあれば厚生省(当時)とかと交渉ができたりして、いろいろ面白い体験もしました。
 厚生省との交渉では心理職の国家資格化も要求してもらったのですが、厚生省の回答は「こちらとしてはつくるつもりだったけれど、心理の中で意見がまとまらなくてできなかった」みたいな感じでした。
 別にお金が関係ないと思っているから、国家資格化も先延ばしで良いと云うことになっちゃうんだよね・・・・。