「統合失調症と宗教 医療心理学とウィトゲンシュタイン/星川啓慈 松田真理子」

 宗教学の星川先生と、ユング派、統合失調症の神秘体験につていの著書のある松田先生のコラボレート本。半分はふたりの対話なので読みやすい構成です。

  • p.25 夢の内容があまりにも素晴らしいだけに、ウィトゲンシュタインが自分の夢をプロトタイプで表面的な解釈で終わらせていることが残念ですし、不思議でなりません。  ユング派だったらプロトタイプってよい意味じゃないの、と思いましたが、これきっとステレオタイプのことですね。ウィトゲンシュタインが自分の蛇の夢を性的な意味に解釈しているもの。まあそれをいったらこういうつっこみ自体もステレオタイプなんですけどね。
  • p.178 ディメンシア・プレコックス demence precoce なぜにフランス語なのかな?
  • p.227 ゆえにヤハウェ神は実体のつかみえないものとして「YHWH」と表記されてきたのである。  ヘブライ語では母音は表記されないのが普通。神の名を呼ぶのをはばかって「アドナイ」と読み替えた。

統合失調症と宗教
統合失調症と宗教
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