難しいことは考えない 「心の探究―エビデンスと臨床/熊倉伸宏」
良い臨床家になるには、と著者は考える。ぼくは考えない。考えないことはないけど、そういうタイプの思考には他者が抜け落ちると思う。「良い臨床家」などというものは、他者との関係性の中だけで生じる人間化 personification にすぎず、他者を欠いて考えるのは無意味だ。そういうことをいうサリヴァンはやっぱり好きだなと思う。
後、著者が臨床を見る目という文脈で取り上げている島崎藤村があんまり好きになれないところが、この本との距離を遠くしている。ろくに読んだことないのだから決めつけたらいけないとは思うんだけど。
心の探究―エビデンスと臨床 | |
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