クライアント中心療法の創始者、カール・ロジャーズの生涯・理論の読み直しに久野徹、末武康弘、保坂亨、諸富祥彦諸氏が挑んでいる。
内容(「MARC」データベースより)
ロジャーズの数ある著作の中から、実践・理論・思想の3つの側面において重要なものを選定し、その内容を紹介するとともに批判的検討を加える。4人の執筆者が独自の視点から臨床家ロジャーズの本質を掴み出そうと試みる一冊。
目次
Ⅰ部
一章実践家ロジャーズの出立
二章クライアント中心療法の誕生―『カウンセリングと心理療法』
三章クライアント中心療法の展開―『クライアント中心療法』
第Ⅱ部
一章パーソナリティ理論
二章ロジャーズの治療理論
第Ⅲ部
一章ロジャーズの人間観を読む
二章ロジャーズの教育論を読む
三章ロジャーズの結婚論を読む
四章ロジャーズの社会思想を読む
第Ⅳ部
一章クライアント中心療法の展望
二章クライアント中心療法の立場から専門性・資格について考える
三章「クライアントセンタード」とは何か
アメリカ史の流れの中でのロジャーズ理論の意味すること、精神分析家、出産外傷説、意志療法のオットー・ランクのロジャーズの影響の指摘(クライアント、共感、クライアントー中心などのキーワードは、ランクによるものだという)などがおもしろかった。
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諸富氏がロジャーズの結婚観について書いているが、江川達也が「ゴールデン・ボーイ」や「東京大学物語」で繰り返し描いている「好きな人が他の人とセックスしてもそれを許せるのか」というモチーフとほとんど共通していてる。江川達也もロジャーズも「許せる」という答えは同じ・・・
最近、改訂版が出たようです。
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