2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話」

星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話/星野道夫 そういえばもう星野さんが亡くなった年よりも長く生きている自分がいる。死者は生者の中にいて、生と死がそこで交わる。星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話星野 道夫 朝日新聞社 1999-03売り上…

中釜洋子先生の訃報/「夢陸」

中釜洋子先生の訃報 東京大学教授で先輩の中釜洋子先生の訃報を聞く。本当に急なご病気だったとのこと。いや、ショックですよ。 夢陸/吉野信 アフリカを舞台にした写真集。動物もいいけれど人々の表情がいいね。 夢陸 (自然美術館シリーズ)吉野 信 六耀社 2…

「精神分析の名著」

精神分析の名著/立木康介 編著 最近は精神分析学会も行っていないんだけど、昔は精神分析学会でラカンって言う人はほとんどいなかった。精神病理学会とかと多分棲み分けていたんでしょう。まあこれは日本に限ったことでなくて、ラカン派は正統な精神分析と…

「バルテュスの優雅な生活」

バルテュスの優雅な生活/節子・クロソフスカ・ド・ローラ 夏目 典子 芸術新潮編集部 画家バルテュスの幸福な生涯。父代わりのリルケとのエピソードも面白い。奥様の節子さんの文章もいい。このような奥様をわずかな出会いの中から見つけ出すバルテュスの眼…

「女はポルノを読む―女性の性欲とフェミニズム」「花のズボラ飯 2」

女はポルノを読む―女性の性欲とフェミニズム/守如子 セクシュアル・ハラスメント概念の成立に大きく貢献したフェミニストのキャサリン・マッキノンは、アンチ・ゲイ法、公立図書館からマスターベーション・レズビアン・婚前交渉・中絶などの内容を含むフェ…

「だって40なんだも〜ん!―加齢なる40代女子のコミック&エッセイ」

だって40なんだも〜ん!―加齢なる40代女子のコミック&エッセイ/ほしば あやこ はーさん 女子じゃないけど40代なのでわかる話題ばかりですね。もう老眼鏡が必要な年・・・。だって40なんだも〜ん!―加齢なる40代女子のコミック&エッセイほしば あやこ はーさ…

「日本の現代アートをみる」「錯視芸術の巨匠たち」

日本の現代アートをみる/高階秀爾 横尾忠則、草間彌生などの大御所から、会田誠、山口晃、やなぎみわなど現在売り出し中の中堅、若手まで現代アートを集めて解説。絵が一枚しかないのがちとさびしい感じ。日本の現代アートをみる高階 秀爾 講談社 2008-11-2…

「フィッシュマンズ---彼と魚のブルーズ」「ギルガメシュ王の物語」「怪獣博士! 大伴昌司 ---「大図解」画報」「幸福写真」「身近な数学の記号たち」「花のズボラ飯」「楽婚レシピ〜オットと仲良く暮らすレシピ24〜」

フィッシュマンズ---彼と魚のブルーズ/川粼大助 根がパンクロックなので横乗りの音楽には弱いのです。ライブでやったこともあるけれど、いまひとつ決まらない。そんなわけでレゲエ関係はあんまり聞かないのですが、例外はフィッシュマンズ。オンリー・ワン…

「チャペックの本棚」「想い出マスコットアルバム」

チャペックの本棚―ヨゼフ・チャペックの装丁デザイン/ヨゼフ・チャペック 「ロボット」の造語社として有名なチェコの小説家カレル・チャペック。そのチャペックの絵の装丁はほとんど兄のヨゼフ・チャペックがやっていたとのこと。現代日本だったら西岡兄妹…

「何か微妙な曲がカラオケのベストスコアになってしまった件」「鶏のプラム煮」

何か微妙な曲がカラオケのベストスコアになってしまった件 まあ要するにテンポが遅くてビブラートをかけやすい曲が高得点になるという話です。さすがに歌が終わったところでフェイドアウト、インプロビゼーションの部分までカラオケ化されていたらちょっと人…

「星野道夫の仕事〈第3巻〉生きものたちの宇宙」

星野道夫の仕事〈第3巻〉生きものたちの宇宙/星野道夫 花が綺麗。ネイティブアメリカンの人たちの歌うお葬式が素敵。星野道夫の仕事〈第3巻〉生きものたちの宇宙星野 道夫 朝日新聞社 1999-01売り上げランキング : 58680Amazonで詳しく見るby G-Tools 09月1…

「女子をこじらせて」「瓶詰の地獄」

女子をこじらせて/雨宮まみ 性別問わず自尊感情・自己肯定感の獲得にはいろいろ大きなハードルがあるよね。ただ女性には社会的な抑圧もまだまだ大きいからやっぱりこの課題は難しい。こじらせ方にもいろいろあって、性愛関連では中村うさぎはまだこじらせを…

「蛙」

蛙/菅野泰伸 蛙の写真集。こうやってみるとホントに哲学者みたいな顔してる。蛙菅野 泰伸 新風舎 2004-05売り上げランキング : 552965Amazonで詳しく見るby G-Tools 09月17日のつぶやき 23:55 [MM読了] 短篇五芒星 http://t.co/41cz1pP4 流産が気になってお…

「異常とは何か」「おしえて!もんじゅ君」

異常とは何か/小俣和一郎 「異常」を歴史的視点や現代的トピック(うつ病自殺、健康志向、アンチエイジング)から考察。筆者の専門でもあるナチズムとの関連も。異常とは何か (講談社現代新書)小俣 和一郎 講談社 2010-04-16売り上げランキング : 451468Ama…

「星野道夫の仕事〈第2巻〉北極圏の生命」

星野道夫の仕事〈第2巻〉北極圏の生命/星野 道夫 池澤 夏樹 三村 淳 危険なホッキョクグマも写真というフィルターを通してみたらただただ人間のようだし、白毛で覆われたタテゴトアザラシはただただ愛らしく、エスキモーの人々はこんなところでも人間が暮ら…

「探偵作家追跡」

探偵作家追跡/若狭邦男 探偵小説専門誌の雑誌「幻影城」も買って読んでいたし、戦前戦後あたりのミステリに関しては結構詳しいつもりだけどマニアというのはレヴェルが違って「黒猫」とか「妖奇」とかマイナー雑誌のコンプリートとか別次元で戦っているわけ…

マンガでわかる電磁気学/遠藤 雅守 トレンド・プロ 昔仲良かった女の子の名前を覚えていない男の子が多すぎる。よっぽどの外傷体験だったってことか。マンガでわかる電磁気学遠藤 雅守 トレンド・プロ オーム社 2011-08-25売り上げランキング : 98154Amazon…

「鍵のない夢を見る」

鍵のない夢を見る/辻村深月 直木賞受賞作。自己愛やらクレプトマニーやらパーソナリティにいろいろ問題を抱えた人々が登場する短篇集。読後感の悪さは内田春菊のマンガにちょっと似てる。 悪くない、けど受賞作は「盤上の夜」でよかったと思う。鍵のない夢…

「ギュスターヴ・モロー―絵の具で描かれたデカダン文学」

ギュスターヴ・モロー―絵の具で描かれたデカダン文学/鹿島茂 鹿島先生のモローのテーマがミソジニーだという説には賛同できません。 晩年のほとんどフォービズムかアブストラクトかというような絵が興味深かったです。ギュスターヴ・モロー―絵の具で描かれ…

「星野道夫の仕事1 カリブーの旅」「写真集 TOKYO 異形」

星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅/星野道夫 草原を埋め尽くすカリブーの群れ。フクロウの雛が可愛い。星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅星野 道夫 朝日新聞社 1998-09売り上げランキング : 243600Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 旅をする木 (…

「カラスのお宅拝見!」

カラスのお宅拝見!/宮崎学 カラスの巣ばかり取った写真集。もはやカラスも自然素材のみでは巣を作らないのが現状。伝統的素材の枝以外に、人間、動物の体毛から、マット、布団、ビニールコード、針金まで。着眼点が面白いです。カラスの巣といっても地上中…

「幻想の挿絵画家カイ・ニールセン」「遠野物語」「LOVE in Alaska 星のような物語」「大いなる旅路」

幻想の挿絵画家 カイ・ニールセン/海野弘 マール社編集部 イラスト付き小説とうい意味だったらラノベなんて昔からあったんだよね。しかもこんなにハイクオリティのものが。 イギリスのラッカム、フランスのデュラックと並んで幻想世界のイメージを紡ぐデン…

「短篇五芒星」「吾妻ひでお童話集」「旧約聖書 創世記編」「マンガでわかるプロジェクトマネジメント」「最後の楽園」「森に還る日」

短篇五芒星/舞城王太郎 流産が気になっておかしくなっちゃった男の話「美しい馬の地」、舞城版「ポニョ」の「アユの嫁」、舞城版「砂時計」の「あうだうだう」など五短篇。アイディア一発勝負みたいな所はあるけれど舞城の奇想は発揮されていて妙な読後感で…

「石原豪人妖怪画集」「『恋顔』になりたい」「ココロ学入門」

石原豪人妖怪画集/石原豪人 中村圭子・三谷薫 子どもの頃に「世界妖怪図鑑」もってましたね・・・。もちろん石原豪人なんて名前はその頃は知らないわけですが。 多彩な作品を残した挿絵画家石原豪人の特に異形なる物というテーマの絵を集めた画集です。 古…

しずおかSF

しずおかSF 異次元への扉〜SF作品に見る魅惑の静岡県〜/宮野 由梨香 鼎 元亨 石和 義之 関 竜司 磯部 剛喜 高槻 真樹 岡和田 晃 横道 仁志 鈴木 啓造 鈴木 大治 カーコスキー 朱美 小梅 八木 洋行 郷土資料。日本SF作家クラブってSFを愛していれば会員資格…

「新しい事例検討法 PCAGIP入門」「黄昏のヴェニス」「DADAモネ色いろ」「続・星守る犬」「ラブ・ストーリー」「チロンヌップの詩」

新しい事例検討法 PCAGIP入門: パーソン・センタード・アプローチの視点から/村山 正治 中田 行重 頂き物です。そのうち感想を書きます。新しい事例検討法 PCAGIP入門: パーソン・センタード・アプローチの視点から村山 正治 中田 行重 創元社 2012-08-14売…

「マックス・エルンスト―美しき女庭師の帰還」「ガウディの宇宙」「DADAルソーおかしな ジャングル」「DADAルノワール、みつけた「オーロラの彼方へ」

マックス・エルンスト―美しき女庭師の帰還/ヴェルナー・シュピース マックス・エルンストの生誕80周年記念出版とのこと。文章はどうでもいい感じ。 マックス・エルンスト―美しき女庭師の帰還 (1977年)ヴェルナー・シュピース 田部 淑子 河出書房新社 1977-0…

「相田家のグッバイ」「となりのツキノワグマ」

相田家のグッバイ/森博嗣 森博嗣の自伝的(?)小説。ブログなどでこれまで書いている家族のプロフィールなどとほとんど一致しているからまあ事実を元にしていると考えて良いのでしょう。父親がシゾイド的というのは予測通りなのですが、燃えないゴミをすべ…

「実験的経験」「パンダの時間」「見てわかる不思議な動物力」「ワイルド・キャッツ」

実験的経験/森博嗣 小説なのかエッセイなのか不明の文章、というかそれは定義次第。先例がないという点では新しいですね。 これでイギリスに移住してなかったら立派な叙述トリックですね(ネタバレ)。実験的経験 Experimental experience森 博嗣 講談社 20…

「リロ・グラ・シスタ」「荒俣宏の図像学入門」「百怪図譜」「銅版画家長谷川潔 作品の秘密」「イスラム芸術の幾何学」「拝啓山頭火さま」「描かれた動物たち」「野鳥からのメッセージ」「カワセミの四季」「foxy」

リロ・グラ・シスタ―the little glass sister/詠坂雄二 四色刷の文字は見にくいわ、高校生のハードボイルド探偵という設定が異様だわ、若書きという印象がぬぐえないデビュー作。ただこの過剰さを評価したからこの後の詠坂雄二があったわけで光文社は偉いと…