2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

病気だヨ!全員集合/月乃光司

「生きづらさ」をテーマにした対談集。オーケンのうつとパニック障害、戸川純の入院体験、信田先生の親原病論あたりが印象に残る。病気だョ!全員集合―月乃光司対談集月乃 光司 新紀元社 2007-04売り上げランキング : 72511Amazonで詳しく見るby G-Tools関連…

自傷行為治療ガイド/B.W.ウォルシュ

行動療法とスピリチュアリティの奇妙な出会い、弁証法的行動療法による自傷行為治療のガイドライン。呼吸法なども取り入れ、対処法に焦点を当てています。 個人的には、身体切断とかいったヘビーな自傷行為の章は割愛されている抄訳なんだけれど(最もヘビー…

箱庭療法の事例と展開/岡田康伸 編

まあ読みどころは学生相談面接数日本一(二位は東工大の斎藤憲司先生)を誇る青木健次先生の箱庭療法パーツ製作の神髄がかいま見れる中川純子先生の「箱庭療法の道具的本質」でしょうか。王道箱庭派からはセラピストが能動的すぎるとけちをつけられそうですが…

夜の読書

夜中にふと目が覚めて川上弘美の「大好きな本」を100頁くらい読む。お昼休みで読了。 雑誌「精神療法」で「大学生のメンタルヘルス」の特集。別府で知りあいの人から論文引用されてるよと教えてもらったので今日改めてチェックした。引用感謝。 精神療法 第3…

自我崩壊――心を病む 不条理を生きる/岩波明

不愉快といえばこっちも統合失調症の方を「児戯化した大人」(引用が不正確かも)と呼ぶ感覚は医師としてどうなのか。 精神科医が書く一般向けの読み物にもいろいろあるけれど、この人の著作はだいたい「暗澹系」と名づけましょう。精神医療の暗黒部分を救いよ…

逆説の日本史 14 近世爛熟編文治政治と忠臣蔵の謎/井沢元彦

ちょっと今は読む気分じゃないかなと思いつつ読了。忠臣蔵に関しては結論から言えば浅野長矩=統合失調症説。そういう可能性もなくはないとは思うけれど、その説を唱えた精神科医の「みんなが笑っているのにひとりだけ笑わないでいるような人が統合失調症」(…

統合失調症の治療―理解・援助・予防の新たな視点/原田誠一

「精神分裂病の患者は病識がない」なんて昔はよく言ったものど、そもそも精神科医は病気に関する説明責任をはたしてきたのかという根本的な問題を問い直す一冊。特に幻聴への関わり方に対して、神田橋先生の自閉の利用から、心理教育、そして対処法に焦点を…

ゴシック者まかり通る

昼休み「ゴシック・スピリット」を読了。 「氷の国のガレオン オルタ/木地雅映子」、「須永朝彦全小説集」、「責苦の庭/オクターブ・ミルボー」、「エレックレコードの時代/門谷憲二」予約。須永朝彦、足利市出身か・・・。

キラレ×キラレ/森博嗣

Xシリーズの第2作。何かの複線が貼られているのだと思いますが、単品で読むといまひとつかなぁ。キラレ×キラレ (講談社ノベルス (モF-39))森 博嗣 講談社 2007-09売り上げランキング : 1558Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 イナイ×イナイ (講談社ノベ…

湖水を渡って シルヴィア・プラス詩集

繊細すぎれば ともに生きてはゆけない 闇が命を脅かすのだから。湖水を渡って―シルヴィア・プラス詩集シルヴィア・プラス 思潮社 2001-08売り上げランキング : 168623Amazonで詳しく見るby G-Tools

変わりゆく思春期の心理と病理―物語れない・生き方がわからない若者たち/鍋田恭孝

【購入数】★ 主に精神分析的な視点から今時の物語れない若者・子どもを解説。ラングスのタイプABCのコミュニケーション、分離個体化理論移行の自己に焦点をあてたマスターソン理論、フォーカシングなどを取り入れたのは従来ない切り口でしょうか。特に対…

木地雅映子と読書の一日

6時起床し、「家族の心理」読了。 「メンタルヘルス・サポート/山本晴義」、「カウンセラーの倫理/松原達哉」、「へんないきもの」を予約。 雪雪さんのブログを見て、「氷の国のガレオン/木地雅映子」、「悦楽の園/木地雅映子」を予約。 奈良の少年事件…

生によりそう「対話」―医療・介護現場のエスノグラフィーから/土屋由美

脳梗塞になった父親への介護を参与観察。生によりそう「対話」―医療・介護現場のエスノグラフィーから土屋 由美 新曜社 2007-03-01売り上げランキング : 179082Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 エスノメソドロジー―人びとの実践から学ぶ (ワードマップ…

パーソン・センタード・セラピー―フォーカシング指向の観点から/キャンベル・バートン

精神分析だと深層心理学、自我心理学、対象関係論、自己心理学、ラカン派などなどさまざまに分派活動が行われて、こいつをまるごと精神分析と呼んでいいの?という感じなので、つい他の学派は一枚岩のような感じがしてしまいますが、パーソン・センタード・…

過食症サバイバルキット―ひと口ずつ、少しずつよくなろう/ウルリケ・シュミット ジャネット・トレジャー

認知行動療法を基礎とした過食症患者向けのセルフヘルプ本。行動のパターンの把握と、対処法に焦点が当てられてます。 p.86 女性より魚をはかれ Scales are for fish, not women. ダイエット反対運動の標語。scale がウロコ/はかりとダブル・ミーニングなの…

シルヴィア・プラス

昨晩は「離婚と子ども/棚瀬一代」、「逆説の日本史14/井沢元彦」、「病気だョ!全員集合/月乃光司」を読む。起きてからは、「ゴシック・ハート」と30歳で自殺した詩人シルヴィア・プラスの詩集を読む。「狂気と女性」に取り上げられていたので、気になっ…

狂気と王権/井上章一

天皇への不敬罪、ロシア皇太子襲撃事件、相馬事件などを題材に、加害者たちがいかに恣意的に狂気の烙印を押され、疎外されたかを描く。狂気と王権井上 章一 紀伊國屋書店 1995-05売り上げランキング : 265150Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 キリスト…

イチロー 262のメッセージ/『夢をつかむイチロー262のメッセージ』編集委員会

【購入数】★★ なぜにイチローかというと神田橋條治先生が、「対話精神療法の臨床能力を育てる」で取り上げているからです。 確かに言葉にならない世界を言葉で表現しようとする姿勢にはセラピーと似たところがあるかも。 ミスショットの原因は気持ちの中にあ…

対話精神療法の臨床能力を育てる/神田橋條治

心理臨床学会のときに買いました。「体験に近い experience-near」「体験に遠い」とはコフートの概念だと思いこんでいたけど、ウェルダーなのか・・・。コフートの本では「体験近接的」と訳されていてブラック・ジョークかと思いましたが。 注文はいつものよ…

空洞です&ロック

そういえばゆらゆら帝国の新しいアルバム「空洞です」が出たんだから、ツタヤにいったんだからチェックしとけば良かった。 朝から花村萬月のティラノサウルス・レックスへの悪口を間違って呼んでしまい気分悪し。 講義「ロックとアートからみるメンタルヘル…

少女マンガジェンダー表象論―〈男装の少女〉の造形とアイデンティティ/押山美知子

「リボンの騎士」、「ベルサイユのばら」、「少女革命ウテナ」などを題材に、少女マンガにおける「男装の麗人」モチーフによるジェンダー表象の変遷について論じています。不勉強ながら題材になるマンガはほとんど読んでません。「ベルサイユのばら」は途中…

妖怪の理妖怪の檻/京極夏彦

京極夏彦による妖怪論、主になぜ妖怪論が学問として成立しないかということを小説同様迂遠な語り口で論証しています。そんなこといったら社会学はどうなっちゃうのかという気はしますけど。でも「あぶらすまし」のまげがなぜ消えてしまったか、近所の変な爺…

人はなぜ自殺するのか 心理学的剖検調査から見えてくるもの/張賢徳

【購入数】★ 自殺後の遺族への聞き取り調査をまとめたもの。著者は精神科医ですが、国家試験直前に親友を自殺でなくしたことが、精神科という選択、自殺という研究テーマに大きな影響を与えたとのことです。 学生相談関連では京都大学学生懇話室の石井完一郎…

全国大学保健管理研究集会 2日目

午前中はポスター発表、何とか無事に終えました。お昼を食べた後、ビーコンプラザの展望台から別府を一望。帰りの飛行機の中で「自傷行為治療ガイド」を読み終え、帰りの電車の中で「心理療法のひろがり」を少し読みました。やっぱ下坂先生は凄いな。 久々に…

ヨーロッパホラー紀行ガイド/荒俣宏

シュバルの理想郷など。ヨーロッパ・ホラー紀行ガイド荒俣 宏 講談社 1996-07売り上げランキング : 808354Amazonで詳しく見るby G-Tools

オランダ水牛の謎 安楽椅子探偵アーチー/松尾由美

安楽椅子探偵アーチーシリーズの第2弾。安楽椅子探偵といっても安楽椅子に座って推理する探偵じゃなくて、安楽椅子そのものが探偵、という趣向です。オランダ水牛の謎" />松尾 由美 東京創元社 2006-10-24売り上げランキング : 473273Amazonで詳しく見るby G…

うちの親、こころの病気?と思ったら読む本/渡辺俊之

【購入数】★ 老年期のメンタルヘルスに関して家族としてできることをまとめてあります。うちの親、こころの病気?と思ったら読む本渡辺 俊之 中央法規出版 2007-03売り上げランキング : 461008Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 “心の病”をくぐりぬけて (…

全国保健管理研究集会 大分 1日目

早くに目が覚めたので「箱庭療法の事例と展開」を読み終え、「心理療法のひろがり/下坂幸三」と「自傷行為治療ガイド」を平行に読む。さすがに持参した本が尽きそうなのでどこかで仕入れないと。これから会場へ。 会場に行く途中で「エッチビル」発見。別に…

全国大学保健管理研究集会(前泊)

会場が別府市と言うことで、前泊でこれからセントレアに向かいます。図書館から「ゴシック・ハート/高原英理」が届いていたけど、旅先で読むのは何だか危険なので置いていきます。奥歯さんが登場するという終章だけ読みました。東名が工事ということなので…

独白するユニバーサル横メルカトル/平山夢明

後味の悪いいやな話が集まってます。はあ、これが「このミス」1位かという気はしますが、奥歯さんに免じて許しましょう。個人的には学習理論を司るスキナー省が世界を支配し、芸術が禁止されるアンチユートピアの話が良かったです。独白するユニバーサル横メ…