2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

少女は踊る暗い腹の中踊る/岡崎隼人

舞城王太郎から笑いを引いて、舞台を岡山に移した感じ。ジェイムズ・エルロイを目指すなら主人公の青臭さを何とかしなきゃ、といっても19歳じゃしょうがないか。少女は踊る暗い腹の中踊る岡崎 隼人 講談社 2006-06-07売り上げランキング : 124439Amazonで詳…

セックスボランティア/河合香織

【購入数】★ 内容(「BOOK」データベースより) 「性」とは生きる根本―。それはたとえ障害者であっても同じことだ。脳性麻痺の男性を風俗店に連れていく介助者がいる。障害者専門のデリヘルで働く女の子がいる。知的障害者にセックスを教える講師がいる。時…

NHKラジオいきいきホットライン

結構おもしろいものをやっています。この間は石原千秋先生が「坊ちゃん」について語っていました。 今日は精神科医の高橋祥友先生が中高年男性の自殺について話していました。

潤一郎ラビリンス2 自画像/谷崎潤一郎

潤一郎ラビリンス〈3〉谷崎 潤一郎 千葉 俊二 中央公論社 1998-07売り上げランキング : 186552Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 潤一郎ラビリンス〈2〉マゾヒズム小説集 潤一郎ラビリンス〈4〉近代情痴集 潤一郎ラビリンス〈5〉少年の王国 潤一郎ラビリ…

臨床家のための家族療法リソースブック/日本家族研究家族療法学

内容(「BOOK」データベースより) 本書は、創始期から現在に至るまでの潮流を概観しながら、代表的な家族療法家の理論と実践を解説。システム論については特に項をもうけ、詳細に論述されている。理論・方法論的な側面から、日本の家族療法の現況が解説され…

心のかたち・文化のかたち/有馬道子

コンテキスト依存性という言語学を通じてみる日本文化論。 障害児施設の黎明期の実践で、放火癖のある知的障害のある子供に風呂たきの役割をわりふるってほとんど戦略的アプローチ。ぐらぐら沸騰させてしまう子どもに卵を持ってこさせて茹でるというのもよい…

出生の秘密/三浦雅士

【購入数】★ 出版社 / 著者からの内容紹介 漱石研究の新解釈 衝撃作『青春の終焉』に続く新たな地平精神分析、現代思想から漱石、丸谷文学までを貫く“秘密”を論じて、読む快感の小説論!目次 出生の秘密 起源の誘惑 無意識の魔 子供の懐疑 少年の妄想 記号…

ロジャーズを読む/久野徹 編

内容(「MARC」データベースより) ロジャーズの数ある著作の中から、実践・理論・思想の3つの側面において重要なものを選定し、その内容を紹介するとともに批判的検討を加える。4人の執筆者が独自の視点から臨床家ロジャーズの本質を掴み出そうと試みる一冊…

サリヴァン治療技法入門/チャップマン

絶版のため、オンライン古書店で1500円で購入。サリヴァン治療技法入門星和書店 1995-08売り上げランキング : 1060724Amazonで詳しく見る by G-Tools

医療におけるブリーフセラピー/宮田敬一 編

内容(「MARC」データベースより) ブリーフセラピーが最近、医学関係者に有効な治療法として注目され、実際に医療現場で活用されてきている。さまざまな医療の中でブリーフセラピーがどのような効果をもたらしているのかを分析する。目次 総論 ブリーフセラ…

ことばと生命/有馬道子

三浦雅士の「出生の秘密」が何ともおもしろいけれど、600ページもあるのでなかなか読み終わらない。その本にプラグマティズム・記号論者パースの事が出ていて、そこに有馬道子の名前を見つけて寄り道。 ちょうど、僕が大学時代に「記号の呪縛」という本が出…

ナラティブ・ベイスト・メディスン 臨床における物語と対話/トリシャ・グリーンハル ブライアン・ハーウィッツ

内容(「BOOK」データベースより) 本書は医学界に強調されてきた「根拠」や「統計」「科学性」に対する補完的な意味をもつ考えであり、新しい時代にかなったパラダイム・シフトを医療者に求める、Narrative Based Medicine(NBM)の意味とその重要性を提示す…

精神分析と社会学 二項対立と無限の理論/竹中均

内容(「MARC」データベースより) 社会学と精神分析という、一見水と油の関係にある分野を取り上げ、それぞれに現れる「二項対立」と「無限」に関するロジックを手がかりに、新たな理論的地平を拓く試み。「個人」と「社会」とのあいだの架橋は可能か? フロ…

家族のための摂食障害ガイドブック/ジェームズ・ロック ダニエル・ル・グラン

【購入数】★ 内容(「BOOK」データベースより) 本書は、摂食障害をかかえた十代の若者たちの家族、特に両親に向けて書かれたものです。両親は、摂食障害の原因などではなく、治療に積極的に参加し、子どもの健康を取り戻すための支援ができる力強いパートナ…

母と娘の精神分析 イヴの娘たち/クリスティアーヌ・オリヴィエ

原題は "Filles d'Eve ou la relation mere-fille" 「イヴの娘たち 母子関係」。ここでも「関係」は別の言葉に置き換えられてしまいましたね。 作者はサイコロジストで精神分析家。ピアジェのもとで学び、ラカンやドルトとも交流があったようです。内容は、…

性虐待の父に育てられた少女 蘇生への道/川平那木

内容(「MARC」データベースより) 長い間ゆがめられていた感覚が、長い旅を経て、私のところにもどってきた。「新しい私」が誕生した-。苦しみながらも生き延びた女性が、その歩みを綴った手記。 教育者である父親から中学時代に性的虐待を受けた女性の手記…

14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー/窪田順生

新潟の少女監禁事件のドキュメント。著者はフライデーの元記者で、犯人の母親を拉致現場に連れて行くなど、あざとさが目立った。14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー窪田 順生 小学館 2006-04-01売り上げランキング : 89084Amazonで詳しく見るby G-Tools…

モリログ・アカデミィ (2) /森博嗣

相変わらず、マイペースに、外めからみたら莫大な量の執筆を続けている森先生のウェブログ。これによればそろそろ森博嗣原作のドラマが放映されるようですが・・・モリログ・アカデミィ〈2〉1年のケーキ元旦に飽き森 博嗣 メディアファクトリー 2006-06売り…

心理療法の統合を求めて−精神分析・行動療法・家族療法/ポール・ワクテル

原題は"Psychoanalysis, Behavior Therapy and the Relational World" 「精神分析、行動療法、対人関係と対象関係の世界」。このサイトの仲間のようなタイトルなんですが、なぜか家族療法に変換されてしまいました。ぐすん。心理療法の統合を求めて―精神分析…

思春期をめぐる冒険/岩宮恵子

【購入数】★ ひきこもる思春期女子の母親面接を例にして、「ダンス・ダンス・ダンス」「海辺のカフカ」「ノルウェイの森」などの村上作品を心理療法的に読み替える。思春期をめぐる冒険―心理療法と村上春樹の世界岩宮 恵子 日本評論社 2004-05売り上げランキ…

統合失調症からの回復/リチャード・ワーナー

クロルプロマジンなど向精神薬の開発により、統合失調症の治療可能性が大きく開けた・・・という 「歴史的事実」はよく語られることですが、著者は向精神薬の導入が統合失調症の回復率に大きな影響を与えていないこと、退院を促進もしていないことを疫学的な…

妖怪セラピー ナラティブ・セラピー入門/芥子川ミカ

そういえば今日、ニュースで妖怪そっくりコンテスト(ゲスト水木しげる先生)をやっていました。 心理系ブログでも話題沸騰の書籍(?)。作者は社会学専攻で、ナラティヴ・セラピーの外在化の対象として「妖怪」を使います。 ナラティヴ・セラピーの入門書とい…

絵小説/皆川博子 宇野亞喜良

皆川博子が好みの詩の一編を宇野亞喜良に渡し、宇野がそれをもとに絵を描き、今度はその絵からイメージした物語を皆川が書くという趣向の短編集。 ちょうど今三浦雅士の長編評論「出生の秘密」を平行して読んでいて、そこで取り上げられているのが丸谷才一の…

潤一郎ラビリンス Ⅱ マゾヒズム小説集/谷崎潤一郎

「谷崎潤一郎伝」に刺激を受けて、図書館で探してみましたが、何と開架には谷崎潤一郎全集が置いてありませんでした・・・ 仕方ないので文庫を借りてきました。古色蒼然としたマゾヒズム小説・・・もう少しいろいろ読んでみないと谷崎文学はわかりませんね。…

村上春樹論/大塚英志

期待していましたが、すでに他の著作で発表されたものの再録が多く、全体的なまとまりが欠けていて残念。村上春樹論―サブカルチャーと倫理大塚 英志 若草書房 2006-07売り上げランキング : 153503Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 初心者のための「文学…

「べてるの家」から吹く風/向谷地生良

【購入数】★ 「浦河べてるの家」を支える「公私混同」ソーシャールワーカーの向谷地さんのはじめての単著。 ナラティヴ・セラピーなど学術面を押し出すことはないのですが、外在化や関わりのアイディアが読みやすいエピソードの中に見いだすことができます。…

谷崎潤一郎伝 堂々たる人生/小谷野敦

文豪谷崎というと「細雪」「卍」などという作品が思い浮かぶのでしょうが、自分にとっては文学全集の一巻を読んだくらいで、後は探偵小説というフィルターを通しての谷崎しか知らないのです。 江戸川乱歩が探偵小説としての「途上」を賞賛していたとか。そう…

父ー娘近親姦/ジュディス・L・ハーマン

精神科病院のカルテに目を通した経験では、両親からの性的虐待が決してめずらしくないということは理解しています。ただ、著者が主張するように、実父・継父からの性的虐待が5%、親戚からの性的虐待を含めれば5人に1人は性的虐待を経験しており、精神科外来…

私家版・ユダヤ文化論/内田樹

イスラエルのレバノン侵攻で、非常にタイムリーになってしまいましたが、日猶同祖論、偽書「シオン賢者の議定書」、陰謀史観を通じて、「なぜユダヤ人が迫害されるのか」というアポリアに内田先生が挑みます。 あー、しかしルー・リードもイギー・ポップもユ…

溺れる人魚/島田荘司

最新短編集。どうせなら「耳の光る児」の代わりに人魚ものを入れて、四作とも人魚づくしにしてほしかったな。まあ、御手洗潔が登場しないとファンが納得しないというのもあるでしょうが。しかし、石岡くん、レオナ、ハインリッヒと周囲の人を次々名探偵化し…