分析
きちんと読んだわけじゃないけど、"a blind eye" を向けたのはオイディプスというより、イオカステなんじゃないの? 邦訳ではこれを「見て見ぬふりをする」と訳している人が多いんだけど、それじゃあんまりオイディプスがかわいそう。これは「盲目のまなざし…
精神分析系の先生の中では家族療法や集団療法に関しても関心を示されている狩野先生の著作集。 A=Tスプリットって言葉はアメリカでは通用しない和製英語というあたりの話がおもしろかったです。 なかなか校正モードから抜けられません。 p.18 Bianchadei …
罪の日本語臨床創元社 2009-05-13売り上げランキング : 537825Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 日本人の〈原罪〉 (講談社現代新書) 精神分析体験:ビオンの宇宙―対象関係論を学ぶ立志篇 共視論 (講談社選書メチエ) 北山修著作集―日本語臨床の深層 (第2…
こういうシリーズの常としてマンガではなく、イラスト付き解説書です。(ライト入門書ですか) 訳者はシャーロキアンで有名な小林司氏ですが、心理学系の翻訳の方は今ひとつです。 「精神分析医」って訳はダメ。だってサイコロジストもいるから。この本でも…
ユングと精神分析家のサールズの共通点を探った著作。サールズっていうと統合失調症患者への精神分析、逆転移についての考察で有名だけど、ユングとの関連といってもあんまりピンと来ませんでした。サールズの著作をユング的に拡充法的に考察している感じ?…
伊藤良子先生編著の『臨床心理学』読んでいたら、田畑洋子・治先生の章でフロイトの言葉「愛することと働くこと」が引かれていた。ひっかかったのが、問いの部分。田畑夫妻によれば問いは「大人になるとは?」と問われたときの答えが「愛することと働くこと…
基本的に読了本を掲載することにしていますが、900頁もあるのでメモ代わりに使います。 戯曲「ゴドーを待ちながら」で有名なノーベル文学賞作家サミュエル・ベケットの伝記。精神医学、精神分析的にはジェームズ・ジョイスの統合失調症の娘ルチアに惚れられ…
欧米で流行なのはエヴィデンスばかりじゃなくて、東洋。弁証法的行動療法、マインドフルネスにしたって禅の影響は大きいわけだし。そういう意味では日本で宗教と心理療法が分断されたままっていうのはちょと情けないですね。 原題は "Thoughts Without A Thi…
『転移分析』の著者で精神分析家のマートン・ギルの最後の書。ちょうど亡くなった年に出版されています。すでにマネッジド・ケアの導入やらで精神分析は凋落しつつあり、社会構成主義などを引きつつ、精神分析のスピリットさえ失わなければもっと柔軟にやっ…
彼は非常にしつこくて、面接していて疲れました。それで眠くなったわけです。そこで「君、すまんが、先生は疲れたからちょっと眠るよ」と寝ました。椅子に座ったまま、2,30分寝たのではないかと思います。その間、彼は本を読んでいました。 (p.137) 誤植は訂…
フロイトの伝説 (叢書・ウニベルシタス)Samuel Weber 法政大学出版局 2009-03売り上げランキング : 520487Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 乳児研究と成人の精神分析―共構築され続ける相互交流の理論 子どもの精神分析的心理療法の経験―タビストック・…
宗教を否定した精神分析とスピリチュアリティ、宗教の関係。やっぱり原始宗教から話が始まるのじゃなくて、著者自身のスピリチュアリティの話からはいらないと何となく表面的というふうに感じてしまう。著者の「精神分析は宗教」という結論にはもちろん同意…
文学論でしたね。あんまり面白くなかったんですけど、ホームズのモリアーティのやおい的鏡転移(そんなふうに著者は呼んでませんけど)のところだけちょっと関心を引かれました。精神分析と物語 (松柏社叢書―言語科学の冒険)Peter Brooks 松柏社 2008-11売り上…
強制収容所でであった二人の女、ひとりはフランツ・カフカの元恋人、そして彼女ミンナの伝記を書くことになる女。ボードレールの詩の解釈を巡るベンヤミンのラフォルグ批判、ナシオ、そしてラカンの迷宮。 p.34 throw out the baby without the bathwater 風…
精神分析ってひとことでいっても実情を見ると各派閥でてんでんばらばらのことをいってたりするのがやっぱり面白いところ。 アメリカとイギリスの精神分析家の諸学派65人へのインタビュー。 読んで思ったのはクライニアンと自己心理学って一見すると正反対の…
ジャズプレイヤーであり自己心理学派の分析家である著者による音感的セラピー論。原題は"The Musical Edge of Therapeutic Dialogue" でかっこいいなあ。「治療的対話の音楽の刃先」。エッジの訳が難しいところですが。 ただ翻訳にミストーンが多いのは皮肉…
やっと読めた。書評は雑誌『精神療法』に書きます。 False Self: The Life of Masud KhanOther Press 2008-01-01売り上げランキング : 33722Amazonで詳しく見るby G-Tools
バレリーナ Svetlana Beriosova
こんな本出てるとは知らなかった。精神分析家アーネスト・ジョーンズによるハムレットのオイディプス・コンプレックス論。ジョーンズは分析史的にはイギリス精神分析の重鎮として知られるけれど、邦訳されているのは確かフロイトの伝記「フロイトの生涯」く…
システムズ理論と精神分析の接合。ラカン派にしてはスターンの発達理論もってきたりして柔軟ですね。アマゾンの書評みると予想通りというか、評価は割れてます。来るべき精神分析のプログラム (講談社選書メチエ)十川 幸司講談社 2008-10-10売り上げランキン…
能の基本的知識がないのでちょっとつらかった。面白かったのは鵺と蛭子の共通点。鵺の死骸は空船で流される。川に流される英雄の元祖は精神分析家オットー・ランクによればバビロニアのサルゴン1世。能と精神分析 (平凡社選書 (196))金関 猛平凡社 1999-09売…
マリリン・モンローと彼女を担当した最後の精神分析家ラルフ・グリーンスンの関係を扱ったドキュメンタリ風「小説」。著者自身はフランス人で分析家。精神分析史という点からも興味深い。 ラルフ・グリーンスンは精神分析のテキストを書くくらいの権威的人物…
北山先生がずっとテーマにしている「自虐的な世話役」「見るなの禁止」論と国学者とのコラボ本。 「見るなの禁止」につていはなるほどなー、と思う反面、なにかすーっと入らない部分もある。 まだあんまり言葉にならないんだけど、原罪ってよりはやっぱり男…
なんだそうです。下記ブログの記事参照。 Twitter vs. Psychoanalysis « The Emergent Fool
精神分析と学校というおよそなじまないと思われるものを結びつけた書籍。一番の収穫は教師を対象としたタビストック式のグループ・アプローチについてウィッテンバーグが書いているところかな。うーん、やっぱり古典的な分析の解釈って学校現場では今ひとつ…
精神分析の "work through" をどう訳すか、っていうのはいろいろ議論があって過去の「フロイト選集」では「徹底操作」と訳されていた。だけど、精神医学で操作っていうと、まず操作的=manipulative で人をコントロールするという意味に使われることが多いの…
精神分析を扱った小説というと何を思い浮かべるでしょう?三島由紀夫の「音楽」?、森村誠一の「精神分析殺人事件」?、それとも水上呂理の「精神分析」? 本書はフランスの作家、マリ・カルディナルによる自伝的な小説です。あらすじは精神科医の斎藤学氏が…
パーソナリティや自己愛の類型理論で有名な分析家ギャバードへの7つの質問。 Seven Questions for Glen O. Gabbard | Psychology Today Blogs
英語でも日本語でも、フロイトのもともとの用語をどう訳すかは大きな問題になります。中国でも状況は同じようです。das Es は「伊底」(イドの音訳か)、「兽我」(「愚かな我」の意味)、「原我」、「它我 」、「私我」、「潜我」、「它(=it) 」など多様な訳語…
凄いサイトを見つけてしまった。精神分析、それもラカン。それで道越羅漢(みちおらかん)とか惟能創理(いのうそうり)とか変な名前なのですね。 http://lacan-msl.com/book/